いつか恋になるまで【単行本版(電子限定描き下ろし付)】
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いつか恋になるまで【単行本版(電子限定描き下ろし付)】

倉橋トモ

珠玉の名作

ネタバレ
2021年10月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作者様の作品は絵が綺麗で、ストーリーも読後感が良いのですが、やはり何と言ってもこの作品がダントツで1番好きです!心理描写がとても丁寧で、この年代ならではの不器用さと真っ直ぐさが、眩しい程に瑞々しく描かれています。1巻では千秋の想いに追いつけない感じの和馬が、2巻ではどんどん想いが深く強くなっていくのがストレートに伝わってきます。今後、キーパーソンとなる先生の出番がかなり短いですが、2人にとって、そして巴にとって、大切な役割を担うのがわかる、とても良いシーンでした。その後の展開も納得です。黒板アートは思わず感涙。和馬がどんな想いで描いたのかを考えると…。和馬も千秋も巴も、心から応援したくなりました。何気ない日常を3人一緒に過ごしながら、かけがえのない関係を築き上げ、帯の「一瞬を重ねて」の言葉がストンと入ってきました。何度読み返しても、じんわりと温かいものを感じる、正に名作だと思います。シリーズものですが、個人的には、時系列順に「いつか恋になるまで」→「明けても暮れても」→「家族になろうよ」の順番に読む方が、違和感なく進めて、より感慨深くラストを迎えられました。
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