このレビューはネタバレを含みます▼
記憶喪失の妻に、夫として過ごす(冷酷な)義兄という斬新な設定で、ワクワクもありましたが、いくらなんでも夫の愛人が自宅で我が物顔で暮らしているのを追い出して許しを請うとは、痛すぎる力技で、ヒーローが不器用過ぎてジレジレでした。真面目だし本当は一途だし、おまけにイケメンなのに、残念な空気が否めません。心の揺れ動く様は読み応えがありましたが、もういっそ真実を打ち明けてぶつかっていこうよ!と何度思ったことか。ヒロインも無理があると気づきながらも触れずに過ごしてしまうあたり、似た者同士だなと思いました。夫と愛人はもちろん最悪だと思いましたが、最初の選択を誤り、拗れに拗れ、うやむやなまま幸せを追い求めた二人もあまり好きになれませんでした。