遺骨の旅路
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遺骨の旅路

こん炉

兄の親友と兄の遺骨との三人の旅

ネタバレ
2021年11月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 兄に劣等感を抱いていた時生×兄の親友・漣。突然亡くなってしまった兄・元の葬儀の夜、家に侵入して兄の遺骨を盗み出そうとしていた漣を捕まえた時生。自分が知ろうとしなかった兄のことを知りたい一心で、兄の死を嘆き泣く漣と兄の遺骨と「三人」で短い旅に出る。周囲の期待に応え続けた優等生の元、兄への劣等感に苛まれていた時生、元への想いを抱えていた蓮。もっと早く話せていたら、気持ちを伝えていたら…と三人が三人とも思っていたに違いない。誰の立場でも辛くて哀しくて堪らない。つくづく子供は親の道具じゃないよね。時生が気持ちを自覚するのは旅が終わってからでもよかったかなと思ったので、そこから5年を要したのは個人的にしっくり来ました。元のことを忘れずに、元の分も幸せに生きて欲しい。
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