このレビューはネタバレを含みます▼
ゲームの世界を題材にした作品の中で、プレイヤーとNPCの交流を描く作品はいくつかありますが、デバッグ担当のテスター達が、未完成のゲームの世界に取り残され、その世界で生きながらNPCと交流するというのは、個人的には初めてです。
それぞれ仕事としてゲームを隅々まで動かしている方たちですから、基本的にゲームの世界観に対する思い入れも、NPCに対する愛情も薄く、ドライな人達ばかりです。
そんな中にあってNPCを思いやり、取り残されて1年経つのでもういいはずなのに、真面目に仕事をやり遂げようとする異質な主人公です。
不思議なのは取り残されて1年というのは大事件だし、おそらく商品としては破綻してそうなのに、バグレポートを書くとちゃんと対応してくれる開発部隊ですね。
アイディアとしては新鮮ですが、ゲームとはいえ、人の形をしていて会話もできて、怪我をすれば血も出て死ぬのに、平気でNPCを殺すという、現実にいたら友達になれそうもない性格の人達ばかり出てくるので、気分が悪いところが、自分にとってはマイナスです。