明日の君に、言いたい事がある。
」のレビュー

明日の君に、言いたい事がある。

瀬戸うみこ

アレもコレもな欲張り作品

2021年11月9日
BL✖️タイムリープ✖️ミステリー仕立て、ついでに冒険譚という何とも欲張った作品である。
タイムリープってだけでもややこしいのに、上下2巻で上手いことまとめてある。
事件も解決し、恋も成就させている。
読みながら行ったり来たりしたこともあり、何とも読み応えのある作品だった。

タイムリープものだがSF色は濃くない。ミステリー仕立てだがノックスの十戒と(2番=超自然能力を用いてはならない)ヴァン・ダインの20則(3番=不必要なラブロマンスを付け加えて知的な物語の展開を混乱させてはいけない)をハナから破っている。

そういう位置づけで本格ミステリーではないので、読む時はロマンスに重きを置いていても大丈夫だと思う。
ただミステリー仕立てということで登場人物は多い。
ストーリーの設定で「似た人」という縛りがあるのに、ちゃんと描き分けができていて混乱する事は無かった。

犯人の動機がほとんどの人には理解不能なのだが、実際の事件でもそういう壊れた犯罪者だらけなのでコレはコレで有りだと納得するとした。

兎にも角にも相当楽しんで読めたので細かい事は気にしない。
人がいっぱい死ぬのはヤだ〜って方は読まない方がよろしい。
いっぱい死ぬけどキレイな絵と時たまのギャグで残忍な感じはしないんだけど。
あと心情は徹頭徹尾BLしているのだが、エッチシーンは少なめなのでエロ摂取目的にはならない。

犯人の目星は最初から2人に絞って読んでいたが、終盤までどっちか判断が付かなかったのが悔しい。
悔しい思いができたので私に関してはミステリーとして成功した♪

修正は白ボカシでした。
いいねしたユーザ16人
レビューをシェアしよう!