前田慶次 かぶき旅
」のレビュー

前田慶次 かぶき旅

原哲夫/堀江信彦/出口真人

出だしは少し残念

ネタバレ
2021年11月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 一夢庵風流記は大好きだったのですが、前田慶次が傾くのは、加賀百万石の大名、前田利家や豊臣秀吉の懐刀の石田三成、他にも破落戸、鼻持ちならない公家や商人、豊臣秀吉その人と、権力や暴力、あるいは金で他人を従わせる事を当然と思い上がる人間達でした。ですが、今作品は、海賊同然の外国商人と村人達との争いで、村人側に数十名の死者が出ているにも関わらず、商人達が殺されて藩に利益が入らなくなると困るという理由で、一対一の決闘での解決を村人に提案。決闘での決着に納得出来ない遺族が蜂起すると「情で約定を反故にする者には、俺が相手を致す!」では、少し格好悪いと感じました。時代背景として、農民は搾取される最底辺の弱者であり、領主の提案は命令同然です。絶対的な強者が、遺族の大半が望まない解決方を村長に命令し、それに従わない者を理不尽と詰る慶次には、少しがっかりしました。
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