このレビューはネタバレを含みます▼
発売時に癒されそうだなぁと気になっていた作品。ようやく読みましたがただの癒し作品じゃなかった!心に響く救済の物語でした。とは言っても説教臭かったり大仰だったりしない、優しく寄り添ってくれるようなお話です。
心の交流や救済がメインなので、BLとしては薄味に感じるかもしれませんが、誰もが持つ心の傷を優しく撫でてくれるような繊細な物語ですごく良かったです。救われる思いで涙を流して、読後はとても心が軽くなりました。
正直恭介がすごく落ち着いてて包容力あって高校生には見えないなぁと思ってたんですが、後半ただ新のためだけに、保身なんか考えず自分の思うまま真っ直ぐに動いたのを見て、ああこの若さが必要だったのかと思いました。
もちろん若いからって誰もが行動できる訳じゃないけれど、現実なんてこんなもの、勧善懲悪なんて綺麗事だと思いがちな世界の中で、恭介の存在は救いだったし、一条の光に見えました。
頑張ってるよってちゃんと言葉にしてあげられる恭介が本当に素敵でした。
2人の気持ちが恋心に変わっていくのも自然だったし、最後初々しいカップルになってるのを見てすっごくキュンとしました。本当に読んで良かった。とても充足感の高い、心満たされる作品でした。