跪いて愛を問う
」のレビュー

跪いて愛を問う

山田ノノノ

設定をフル活用して点と点を繋げる物語

ネタバレ
2021年11月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ ★生活のためにSub専用クラブでバイトをしている高校生・正己×帰国子女編入生・悠生の主従ストーリー。

★俺がSub?「友達になって」と絡んできた悠生の言っている意味が分からない。俺はNormalだ。人に支配されないと生きられないSubなんて救いようのない底辺の存在、俺は絶対支配される側にはならない…そう思って生きてきた正己に悠生がDom/Subコマンドを使ってきて…。

★謎解きの様なストーリーなので、2読目が断然面白く感じました。初見の時にはスルーしていたことが、実はとても大事な意味を持っていたんだと分かって、紐解きながら再読して、最後にはとてもスッキリとした感動が残りました。正己の変化していく内面と、変わらない目の下のドス黒いクマの描写が、高校生の2人の精一杯と拙さのようで、良かったです。数年後のクマがない正己の笑顔が感慨深かったです。

★描き下ろし、あふれたあとがき、電子限定おまけ含めて220ページ。Dom/Sub入門としても読みやすかったです。全てネタバレするよりも余白がある作品が好きですが、作者様のあとがきにあった「悠生の少し前の話」は知れて良かったです。「“本能”と“魂”で求め合う」に納得できました。

★悠生がある意味とっても「普通の高校生」でいいなと思いました。優しくていい子だけど聖人君子ではないし、ハイスペだけど正己には弱いし、自制するけどヤル時は激しくてネチこくてエロい。変態紳士、高感度高いです笑。
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