のんちゃんの手のひら
」のレビュー

のんちゃんの手のひら

金子節子

沢山の人に読んで話し合って欲しい

ネタバレ
2021年11月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ すごーく色んなことに気付き、考えさせられました。自分自身高齢出産でマーカー試験を受け、もし確率高かったらおろしていたと思うので、幼稚園の会長さんの気持ちにすごく同調してしまいました。裕福だし、協力的な旦那と実母がいる、のりこの障害は軽い、こんなに何でもかんでもうまくいくわけない、というコメントもあり、それも一理あると思います。
母親は子供の近くにいるので「悪意のないのりこをいじめて!」とよく怒るけれど、私たちが住んでいるのはユートピアではないので、客観的にみれる父親の「地元の学校に送り出すというのはそういうことも込みだし、そこでどうやって対処するかを学んで欲しい」という発言に拍手を送りたいです。幼稚園児の遊具の順番争い、プールで遊びたい子と真剣に泳ぎたい子の場所争い(?)など、障害児相手だからというわけでなく、普通にありますからね。。。
我が家の7歳の息子のクラスの知的障害児(女子)は、皆の前でパンツを脱いだり、おもらしをしたりするので、その子が遊びたいと他の子に近寄っていっても逃げてしまうのだとか。その子が男の子で、自分の息子が「あいつ漏らして臭いから遊びたくない!」といわれたら何と答えればいいのだろうか、等本当に色々考えさせられました。そういうことも含めて、できるだけ沢山の人がこの漫画を読んで、本音でディスカッションして欲しいと切に願います(毎日無料で全話読めます)
父親が言っているように、学校では勉強、スポーツ、アートなどで評価、表彰はされるけど、優しい子は表彰されません。評価されるから優しくなるっていうのも違いますが、インクルーシブ教育にはそういうことが評価される「ゆとり」が必要なのだと思います。
また、中度、重度の知的障害児をはじめ、様々な障害児のいるインクルーシブ教育がどのようなものなのかを描いた漫画も読んでみたいと思いました。
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