犬も喰わない
」のレビュー

犬も喰わない

彩景でりこ

ニッチでエッチでアダルト

ネタバレ
2021年11月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ イイ!!
すごく良かった…(*´꒳`*)。。
性癖のニッチなところをこじ開けられてグリグリされた感じ。

まずカバー絵と次ページの扉絵だけでふぁぁぁあってなった。
エロそのものを描かれるよりエロいんですけど。。
本編もエロそのもの以上にエロい設定です。

2つお話が入っています。
2つとも好きな人には直接触れていません。
2つとも三角関係です。
(表題作はメインCPの方ね)。。

私、フィジカルなエロはそりゃもう大好物です。
が、メンタルなエロの方がより滾ります。
メンタルを痺れるほど満足させた上で、擬似的にフィジカルを体現する。
ああ、面倒くさい!
その面倒臭さくて破滅的な愛がたまらない。
そんな面倒くさい事を何十年も繰り返しているオジさん達は、すっごくスケベです。
直裁なスケベの何倍も助平なんです。。

表題作のオジさん達は好き勝手やってんだからいいんです。
その2人の間にひとりの若者が登場します。
数十年経って今までとは違う関係性が生まれます。
この若者、空木が健気で強かで切ない。
その後の話は番外編で読めます。。

オジさん達は40年経って最初で最後の口づけをします。
そして決別します。
この時の感情を何と名付けたらいいのか…とても難しいです。
けれど、確かに心が何かでいっぱいになってしまいました。。

今まで自分の人生で不惑という言葉について度々考えてきましたが、今作を読んで知命とは、と深く考えさせられました。

麗人さんは大人な良作を多く出してくれていますが、本作は特に一般受けはしない作品だと思います。
恋愛を重ね、ある程度歳を取らないと、この作品の良さは解りにくいかもしれません。
だからこそ出版して下さった竹書房さま、そして何よりこんな素晴らしいBL作品を描いて下さったでりこ先生に、心から感謝を申し上げます。m(_ _)m
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