兄ちゃんの話
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兄ちゃんの話

池玲文

兄を自慢できる弟も自慢したい

ネタバレ
2021年11月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 時期や環境に違いがあっても何れ訪れる肉親の介護。
繰り返しの日々を過ごす中、唯一の心の拠り所が親友で恋人のなな君。
ホッとしたという気持ちは責められる感情ではなく、ひとつの区切りだと思いたい。先の見えない日々に不安と焦燥感に苛まれ、訪れた別れに悲しみだけでなく現実から思い出となり、また朝を迎える。
自分の事を後回しにするそんな優しい兄を自慢出来る史君も最高に自慢の弟だよと讃えたい。
本当なら母親こそ我が子の幸せを願い、良き理解者であるべきなのに、これも親心子心なんですかね。
それでも家族を支えてきた兄と、それを身近で見てきた弟との兄弟に対する優しい気持ちに救われる。
忙しい母に替わり頑張ってきた兄と兄の優しさや恋を理解しようとする弟が互いに支え合って今の幸せな優しい日々へと繋がれる。
とても素敵な自慢の兄と弟です。
親友の話では、まさかのそちらですか。いや、そんな予感はしておりました。
優しい御本との出会いに感謝です。
ありがとうございます。
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