一巻のみ77P、決して長くはないお話ですが内容は深いです。家族の相互理解的なストーリー展開なのでエロは少ないです。家族や友人がゲイだと知った時どう自分は対応するだろうと考えさせられる作品ですね。常々BLはファンタジーだと思って読んでいる私ですが、このお話は現実的な設定なので冷静に読みました。
ヤクザやストーカーなんかは出てきませんので、主人公の波乱万丈でドロドロの人生や怒濤の展開を期待してる方には向きません。
ひとり親家庭、介護問題、性的嗜好等現在の日本でもありがちな事柄が出てきます。
祖母の死後自分の感情を素直に伝えられなくなった兄ちゃんですが、弟君のお陰で母親とも向き合え大切ななな君を失わずにすみました。
周りの言葉に惑わされずその人の本質を見抜ける存在。小さい頃から兄ちゃんを間近で見ていた弟君だからこそ兄ちゃんの「そんな存在」になれたのです。弟君の恋人も素敵な人です。
本作で人との真摯な向き合いかたや自分の価値観にとらわれず物事を多方面から見ることの大切さを学び、お互いに心を開き思いやる事で大切なものを守れるのだなと改めて感じました。
たとえ家族であっても人との繋がりは脆いもの、だからこそ大事にしたいですね。
弟君の「皆に言いたい、格好良くて 家族思いで ゲイの、僕の自慢の兄の話─」読んでみてください😊