ネコにさよなら
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ネコにさよなら

チョコドーナツ

切ないけどじんと温まる物語

ネタバレ
2021年12月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●作者さんが原作を担当されているBL作品から来ました。こちらの作品も、切ないけれど現実的な、ファンタジーからグイと引き戻されるエンディング。作者さんの作風なんだろうなぁ…
●「少女マンガ」にカテゴライズされていますが、サラリーマン赤井から少年シロ(実はネコ)への恋にも似た愛情があって、ほっぺにキスまでの表現があります。最近少女マンガカテゴリのBLって結構あるんですね…どこで線引きしてるんだろう。検索時にジャンルで絞ってしまうので、なかなか出会えません。
●雨に打たれているネコを連れて帰ったら、人間の言葉を話し、翌朝少年の姿になった…という冒頭。赤井は一緒に過ごすうちにシロのことがとても大事になっていく。一方のシロは飼い主のシオンに会いたいの一点張り。会ったこともないシオンに嫉妬する赤井。
●シロと出会った場所に行ってみると、「拾って下さい」のメモ。文字の読めないシロに、赤井は事実を隠す。ケンカして、家を飛び出して、自力でシオンの家へ向かうシロだけど…この場面の赤井とシロとすれ違いは、見ていて苦しかった。
●『ネコにさよなら』のタイトルの意味を、あとがきに書いて下さってます。でもヒトの姿で過ごした日々にさよならして、ネコとしてもう一度二人が(一人と一匹が)歩み出すお話でもあるなぁと。シロはネコに戻った後も赤井の話す言葉をずっと理解してくれていたらいいのにな…と、一縷のファンタジーを望んでしまいます。どうか幸せに。
●余談(別作品のこと)ですが、帯にある「100万人が泣いた『友人が勇者』」はちょっと大げさすぎる気がします…確かに切ないお話ではありましたけど。
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