触らないで、抱きしめて
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触らないで、抱きしめて

可愛い二人

ネタバレ
2021年12月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ ゼミ仲間の梅谷と鷲園。飲み会で泥酔した鷲園を自宅に連れ帰って介抱した梅谷。いつも手袋を着けている鷲園は潔癖症と噂されていて、目覚めた鷲園は外された手袋に動揺したり、寝具一式洗ってくれと言ったり、梅谷でなかったらブチギレ案件だったと思う。

潔癖なところを除けば鷲園は少し浮世離れしたツンデレっぽい可愛い男の子で、チャラそうに見えた梅谷は偏見のない目で鷲園に接し、二人の距離が近付いていく過程を見守るのが凄く楽しかった。


鷲園が潔癖症のような症状になった原因が見えてくると、少年時代からあんな扱いをされていたら壊れてしまっても仕方ないよなと切なくて苦しくなってくる。

鷲園への想いを日々爆発させながら適度な距離で鷲園に無理強いさせない梅谷はめちゃくちゃいい男。鷲園も自分のことで梅谷に悲しい思いをさせている事実をきちんと受け止め、前に進もうと頑張る姿に胸が熱くなる。

鷲園の母親がなぜあれほど頑ななのか……理由が分かっても全面的な理解はできない。考え方も行動も自分勝手で自己中心的、価値観や倫理観や正義感を押し付けて「あなたは普通よね?」と言う姿にゾッとした。何度読み返しても結末を知っていても、あの笑顔に怒りが爆発する。お父さんや義姉たちがまともそうなのが救い。


2巻で完結となっているけれど、触れ合えるようになった二人をもっと見たい。
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