明治従属タングステン
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明治従属タングステン

たつもとみお

近代お仕事BL(注:ネタバレ多過ぎ)

ネタバレ
2021年12月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 以前読んだ近代BL物で、何となく近代とBLがミスマッチに感じ避けてきたけど、好きな作家さんの美しい絵に負けたw読むしかない。欧州帰りの技師、亮二が拾った異国の男エドワード。亮二はエドに教育を与え、エドは亮二の身の回りの世話から仕事のサポートまでこなす忠実な僕として高い能力を発揮する。主従の関係はやがて恋人へと発展するが、亮二もまた中原によって救われた身であった。背景が日英水電という史実を元に日本の電力供給に尽力する男達とBLを絡めているところが面白い。経済の発展と人々の暮らしを豊かにしたいと願う亮二達現場と軍事力強化のための電力事業を目指す発起人達、双方の利を一致させるべく亮二とエドが奔走する。駆り出される村人達の士気を高め電力事業の成功へと導いていく過程が丁寧に描かれ心揺さぶられた。また過酷な運命の中にあった少年時代、諦めることなく努力する亮二の中に士族の矜恃と精神が宿っているようにも感じグッと来た。ストーリー性高い読み応えある作品です。
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