みのりの森
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みのりの森

まりぱか

何度も考えさせられる、それぞれの幸せ

ネタバレ
2021年12月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 結論から言うと、最後は人によってはハッピーエンドだと思えると思います。私は、ハッピーエンドの一歩手前の終わり方だと思っています。メリバとかバッドエンドとか悲しい終わり方とかではないです。
ただ、話のキーマン慎太郎が、もう生きていないんだという事実が、本当に悲しさと切なさを感じさせます。
最後の番外編はほのぼの?というか、その後の二人の様子が描かれていてほっこりします。
大号泣というほどではないですが、何度も読み返して、それぞれの幸せについて考えたくなる話です。

昌典は、慎太郎の強い面しか知らなくて、一生真実を知らずに生きていくんだな、と思います。でも世の中、知らないほうが幸せなことなんてたくさんあるし、すべてを知る必要もない。知ったら、電話に出られなかったことを一生後悔することになるので、彼にとってのハッピーエンドは知らないことなんだろうな。
前に進むんだ、と思えた昌典と比較して、実はどうなんだろう。最後のバスでカーテンを締めたのは、昌典に慎太郎の弱さを伝えない(嘘をついた)ことに対して、後ろめたさがあったからなんじゃないかなぁ〜と思います。実はしばらくの間は、慎太郎に無理にでも電話をかけさせればよかったという思いや、自分が止められたのでは?という思いを引きずると思うけど、その先は、生きている二人で乗り越えていってほしいと思う。

慎太郎の昌典宛の手紙、本当に明日会えるみたいな感じで終わってて、だから余計こみ上げてくるものがあります。

なんだか支離滅裂なレビューになりました。すごく心に来る話なのでぜひ読んでみてください。

追伸 表紙見て中身読むと受け攻めそっちかーいwってなります。黒髪(昌典)が攻めですので、そこは気をつけて読んでください。
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