雪原の月影
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雪原の月影

月夜/稲荷家房之介

ただのBLではなく、圧巻の世界観!!

ネタバレ
2021年12月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ ただのBLと思って読むと、圧巻の世界観に圧倒されます。あらすじ読んで「綺麗な王子と人外の強さを持つ剣士の体格差BLね、好物好物」と思って読み始め、その自分の浅はかさに殴りたくなりました。これBLですよね?!と確認したくなるくらいしっかりと深いところまで世界観が造られていて、その描写も細かいのにとにかく繊細なんです。今まで色んな中世ファンタジーBLを読んできましたが、経済や地理、人物たちをここまで掘り下げて書かれているBLはなかろうと思います。唯一無二のBLです。かと言って難しすぎず、伏線の貼り方や回収の仕方も見事としか言いようがありません!主人公エルンストが綺麗な元王子ではなく、帝王学を学び抜いた賢人であるのにとても魅力を感じます。王太子として教育を受けてきたからこその洞察力と知識を持って人々を導いていく姿に、王とまさにエルンストのことを言うのだ!と思わざるを得ません。BL部分としては、受のエルンストが攻の戦闘種族のガンチェを愛しさのあまり甘やかしているのが可愛いです。こんなにも受が攻を愛しい可愛らしいと愛でているのも珍しいとは思いますが、堂々と「わたしの伴侶だ」と周りに言っているエルンストがこの作品のハイライトですね(笑)是非色んな人に読んで頂きたい作品です!
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