ひとつしかないもの
」のレビュー

ひとつしかないもの

櫻井ナナコ/佐々木みお

思い込みの孤独

ネタバレ
2021年12月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 双子で明るく人気者の楓月に比べて、周りから距離を置き自分に自信がなく価値がないと思い込んでる晴陽は、適当に声を掛けてくる相手と体を重ね、自分を壊そうとします。また体の線が色っぽく綺麗です。
そんな儚げで危うい晴陽を救ってくれたサラリーマンの正博が、またカッコいい。優しくて包容力があり、いきなりエッチはせずに映画や買い物に行ったりと、まず友達から始めようとするのがいいですね〜。正博が晴陽に言った言葉にも感動しました。私も安心して危うい晴陽を見守れました。
徐々に、自分の存在を大事にしてくれる正博に心が絆されていき、やっと晴陽に笑顔が出るようになりました。
晴陽が家族や周りの友達と仲良くできないのは、自分を否定的に思い込んでいただけで、本当はみんな自分の事を見てくれていて、ちゃんと思ってくれていたんです。
素直になりたいけどなれず、どうせ自分なんかと拗らせてしまう…人の気持ちも、自分の気持ちも理解する事は、難しいものですね。
いいねしたユーザ5人
レビューをシェアしよう!