深い愛のお話





2021年12月18日
ファンタジーでノスタルジックな世界観と絵のタッチがマッチして、奈良まほろば、神鹿と人間のお話がすんなりと読めました。立場的には当主の息子の白羽と使用人の草介ですが、関係性は真反対でそこがコミカルに描かれています、きゅんとするのそこなのって何度も思いました。そしてそんな関係性を受け入れてる白羽に劣等感を感じる草介、お話や心理描写はなかなかシリアスで切ないながらもゆったりした世界観とコミカルなタッチで暗くはなりません。暴走しそうなのを抑えつつヘタれていちいち健気な白羽が堪らない、草介はかなり面倒くさい人ですがそこをまるごと周りに愛されてる素直になれないタイプ。終盤は草介にとってかなりキツイ展開でしたが、白羽のブレない深い愛情と積年の恋心が伝わり、最後まで変わらないふたりのやり取りが見られました。ひとつだけ…義弟とのあれは必要だったのか、が疑問です。

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