渇仰
」のレビュー

渇仰

宮緒葵/梨とりこ

とんでもない怪作。世界観が合えば神作。

ネタバレ
2021年12月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ ヤバイです!私は読みながら何十回も悲鳴をあげてしまいました。
攻めの達幸はサイコパスな異常者で変態、他の作家さんの作品に出てきたら間違いなく悪役なのですが、読んでいくうちになぜか「人間の振りした犬」に見えてきます。そして常識的に考えると、受けの明良は異常犯罪の被害者なのですが、途中から「最高の飼い主」に見えてきます。
最初は「ヤバイ!頭おかしい!」と思って読んでいても、途中から倫理観が麻痺してきて、忠犬とその飼い主の至高の愛の物語のような気がしなくもなくなるのが、宮緒先生マジックというか、宮緒先生のBL作家としての実力の高さだと思いました。
達幸は作品を通して一貫してヤバいのですが、恐怖に感じる時と笑えてしまう時があって、その落差がすごく面白かったです。
キャッチコピーの「あーちゃんが怖いモノ、全部俺がやっつけるから」に対して「1番怖いのはアンタだよ!」と誰もがツッコミを入れたくなる作品です。
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