秘め婿【単行本版】
」のレビュー

秘め婿【単行本版】

芹澤知

日本史好きにもたまらない!(追記あり)

ネタバレ
2021年12月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●作者さんの描かれる絵が本当に好きで、作者さん買いです。邪馬台国を舞台にしたこちらのお話にもぴったりの美しい絵。感激です。様々な文献から取材されているようで、日本史好きとしても興味深かったです。九州説採ってるんだぁーなどと思ったり。
●不死とされる卑弥呼は継承によるもので、幼い頃に後継者に抜擢されたシキ。引き離されたヤマト。10年の年月が過ぎ、沐浴中のシキと再会するが、シキはそのとき既に“卑弥呼”になっていた。もうこの設定の時点で高揚感が止まらない!
●シキのそばにいるため宮中に勤めることを選択するヤマト。シキもヤマトのそばにいたいと思いながらも、ヒトと交わると神の力を失う。すなわちクニが“卑弥呼”を失うということ。シキの気持ちは揺れて…。でも、二人ともクニを守ることを優先するのです。魏の国に渡ることを成功させる。しかも神託の力に頼らずに。次代の“卑弥呼”は、おそらく神の力を使わずに、ヒトの知恵でクニを守るのでしょう。(シキはこの子が大きくなるまでは卑弥呼を務めるのかな…)
●ヤマトに「抱いてくれ」と言ったシキは、もう神の依代としての務めは果たしたと、やりきった気持ちだったのだろうと思います。同時に、これからヒトとしての時間をヤマトと過ごしたいという思いに溢れてる。洞窟で火を焚いて交わる二人はとてもエロティックで尊く、美しいものでした。
●歴史奇譚としても恋物語としても綺麗に完結していて満足度も高いです。設定資料を拝見しても、もう美しいしかない…!すばらしい作品を読ませて下さり本当に感謝です。
●(追記)小冊子の販売ありがとうございます!!実質16P。本編の交わりの最後、文字で書かれた部分を膨らませて下さってる感じ。ヤマトとシキの体格の違いがたまらんですね…!絡み合う二人の表情も素敵でした。
いいねしたユーザ3人
レビューをシェアしよう!