午前2時まで君のもの
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午前2時まで君のもの

奥田枠

消えていく記憶と消えない想い

ネタバレ
2021年12月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 学生時代からの親友同士、在宅デザイナーの恭一×クリーニング屋の道夫。21歳で事故に遭ってから8年、新しい記憶を覚えていられず一晩寝ると21歳当時に戻ってしまうミチは、ずっと片想いしていた恭一に告白して体の関係を持っても翌朝には忘れてしまう日々を繰り返している。まったく覚えがないのに数年単位で時間が進んでるなんて想像を絶する。恭一を想いながら8年の間に結婚もして、それでも側にい続けた恭一も、毎朝忘れられている妻・灯さんも、二人の間で揺れるミチもみんな辛い。数え切れないほど葛藤しては忘れ続けたミチだけど、8年目にしておそらくこれまでにない選択をしたのは、ミチの中でちゃんと8年の歳月が積み重なっていたからだと思う。ミチの恋心はなくならないので、きっとこれが最良の形。ちゃんとハッピーエンドでほっとしました。切ないけど灯さんにとってもよかったんじゃないかな。
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