午前2時まで君のもの
」のレビュー

午前2時まで君のもの

奥田枠

新しい一日という言葉の意味

ネタバレ
2021年12月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ ミチが「ごめんなさい」と言う度涙ボロボロです。もはや懺悔でこちらも辛くなってしまう。記憶をなくすことは周りも辛いところがあるだろうし、何よりその辛さをよく分かることの出来ない自分が1番つらそうだなと…。

この作品は無駄な描写がなくひとつひとつの場面すべてが印象に残ります。特に自分はアカリさんが酔って耐えきれなくなってしまったシーン。ここで先生も優しいからアカリさんのことで怒ったけど、主人公の背景を知らないから言ってしまった。知らなかったから、ミチは絶句するような言動に見えるし仕方ないと思います。知ってたら何も言えないと思うんですけど誰も悪くないやりきれない。苦しいミチの気持ちが想像もつきません…。

新しい一日が始まる輝かしい言葉のようだけれど過去のことがなくなったリセットされた日々。アラーム、複数のスマホ、メモ、そんな細やかな物も尊く思える作品。登場人物みんな優しくて温かいからこそ苦悩の辛さも際立つし、何気ない日常の場面が本当に素晴らしかったです。作者様の描いた物語本当に読めてよかった。願わくば、アカリのその後やミチと恭一の日々もぜひ見てみたいものです。ありがとうございました。長文失礼しました。
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