冬知らずの恋
」のレビュー

冬知らずの恋

夏野寛子

夏野先生ワールドどっぷり浸かりました!

ネタバレ
2022年1月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「25時、赤坂で」が好きでこちらも購入。夏野先生と言えば、開いていても閉じていても目ヂカラ!特に表紙の愁人が寝ているシーン、長い睫毛一本一本美しくてずっと眺めていられます!

ノスタルジックな雰囲気をまといつつ、高校生らしい瑞々しさと気持ちの移り変わりの繊細な描写の見せ方はさすがです!!
まず、家が隣で高校生で従兄弟同士って‥もうウズウズしちゃうシチュ!!
愁人が5年目にして心に留めていた思いを自覚する瞬間と同時にお母さんに目撃されて、益々千紘に対する思いに後ろめたさが広がっていく悪循環が‥

性に対する衝動と好きだという純粋な思いとの間で揺れ動く葛藤が苦くて切ない。

そして部屋に鍵をかけない愁人と、暑い部屋で寝るのが平気な千紘がお互いが好きと自覚するまでのタイムラグが何ともじれったい。でもそのじれもとてつもなく良い(笑)
手探りで自分達なりに答えを導きだすんですが、やっぱり残るのは好きだから触れあいたいというシンプルな感情だけ。
椅子の上で丸くなってる愁人だったり、好きな気持ちを再確認する千紘だったりと、たどたどしい2人の初めてが尊いやらウブウブだわで脳内が騒がしい!

あと、最後までお母さんの影がちらつきましたが、直接的和解シーンはありません。私の中では書き下ろしで、愁人でなく千紘に言った「風邪引くから布団かけて寝なさないよ。」に戸惑いながらも、2人を認めてあげようとする思いを感じました。あくまで個人の解釈ですが。時間が解決してくれないかな‥と思いました。

愁人をヒーヒー言わせちゃう番外編は必読です!←?

付き合う様になってから、更にいい意味で素直になった2人の成長と最後はやっぱり高校生だね!にほほえましく、玄関先で暫く赤面顔がとまらない愁人と迎えにくる千紘の優しく見おろす視線、、妄想がとまりません!
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