ロマンチック・ラメント
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ロマンチック・ラメント

左藤さなゆき

本能を凌駕する強い想い

2022年1月1日
Ω嫌いのリアリスト・αの煌臣と、かつて「運命」に泣いたロマンチスト・Ωの旭が番になるまでを描いたお話。オメガバースにおける「運命の番」というシステムを上手く使った内容だなぁと思いました。旭がΩ性によって酷く扱われる描写こそないものの、「運命」という名の本能によって深く傷つきます。そうして過去の傷を抱えて立ち止まった旭の手を、ゆっくり優しく時には強引に引いて歩いていく煌臣の頼もしさが見どころかと。出会い方こそ強烈でしたが、距離を縮めていく最中は青春といった感じで、何があっても最後の最後まで己の気持を貫き通した煌臣はまさにスパダリと呼ぶに相応しい男だと思いました。本能の前では恋心も愛情も霞んでしまうのか?たとえそこに気持ちがなくとも「運命」であれば従ってしまうのか?そういった部分にフォーカスしている今作…本能を凌駕する強い想いで結ばれた関係こそ、運命よりもロマンチックなのではないかと思います。続編が春から連載スタートするらしく、今からめちゃくちゃ楽しみです!
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