ポーの一族 ~春の夢~
」のレビュー

ポーの一族 ~春の夢~

萩尾望都

美しくも哀しい

ネタバレ
2022年1月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ エドガーとアラン。新作が読めるなんて、嬉しいです。
一緒にいても全てを分かち合えるわけではない。そんな寂しさを抱えながら行動を共にする2人。戦時下に出会ったドイツ系ユダヤ人の少女の事を気にしながらも、アランのため、エドガーはそこにとどまっていた。理由を言わないのは優しさであり、思いやり。でも、アランには伝わらない。伝えたいのに伝えられないもどかしさ。ポーの村から逃れることはできないし、しない。一族にも色々な人がいて、エドガーとアランを絡め取ろうとする。欲望が強い人。他者を護る気持ちが強い人。それぞれの想いがあって、うまく噛み合わないこともすべて人の営みの中。そこに、エドガーは何を思ったのでしょう。春の夢という歌に寄せて。
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