夜明けの序章 【電子限定特典付き】
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夜明けの序章 【電子限定特典付き】

三月えみ

めちゃくちゃいい!(立読み必読)

ネタバレ
2022年1月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●これまで何作か拝読した作者さんの作品の中で一番好きかもしれません。高校生の輝一と新奈のお話が4話、輝一の兄・晃一と上司の日印ハーフ・アルーンのお話が2話。タイトル、表紙、口絵、あらすじが全て晃一サイドのものなので、立読みで輝一サイドのご確認も必要かと。あとがきで新奈本人が言ってますが、せめてカラー口絵くらい輝一と新奈にしてあげてほしかった(涙)
●『〜他人の右手』構成がめちゃくちゃいい。秀逸です。三学期の間だけ同級生・新奈の家に居候することになった輝一。輝一が“右手”で新奈を触り、新奈も「お返し」と言って輝一を触り…その場のノリと勢いで進んでしまっているようでいて…差し込まれてくる学校の壁の場面。気持ちの部分がどんどん紐解かれて、ああ、この二人はそうだったんだ、そんなふうにお互いのことを想っていたんだ、と、ぎゅーっと胸を掴まれるのです。最後のシーンの二人の“右手”も最高!
●『〜遠くの右手』翌年の冬、遠距離。心も身体も近付いたようで、まだまだ本音で向き合えない二人のお話。あー…きゅんとする…。輝一の職場の同僚“弩級クズ”の越後も、実は悲しい人でした。全然嫌いになれない。同窓のお友だちも素敵でした。描き下ろしで明かされた二人のお互いへの意識の始まりは、ちょっとなー…私には今ひとつ。
●『夜明けの〜』あらすじのとおりなんですけど、肝心の“一夜”の詳細を、アルーンは覚えていて晃一はほとんど覚えてない。でもアルーンにとっては“夜明け”だった。晃一が男とスることに対して緩すぎるなーと思ったりしますが、こちらの作者さんはわりとそんな感じが多いかも。でもその緩さゆえ、あの“一夜”が成り立ったのかなとも思える。アルーンの名前の意味に掛けてるセリフとかすごく良いです。番外編も読もうと思ってます!長文レビュー失礼いたしました。
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