名探偵キャサリン
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名探偵キャサリン

山村美紗

「京都絵馬堂殺人事件」

ネタバレ
2022年1月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 今回初めて、この推理小説の文庫本を、それもコミックシーモアで購入しました。変則的ですが、まず表題作で最終作の「京都絵馬堂殺人事件」を読みました。それにしましても、殺人犯とは言え、「石川秋子」と言う女性、本当に気の毒です。姉の不本意で屈辱的な死が原因で無理矢理「殺人犯」にされましたから。逆に、殺人事件の被害者とは言え、「午端邦夫」と言うのは許せない男ですし、まさに「自業自得」ですね。「エースをねらえ!」の原作では、宗方仁が主人公の岡ひろみに対して「道交法さえ厳守していれば車の運転は安全だか、飲酒運転やスピード違反が大惨事を招く」と言っていますが、1作目の「京都顔見世殺人事件」はそのシーンを鮮明に連想させるものでした。何しろ、轢き逃げ犯の矢坂教授が証拠隠滅のために3件の殺人を犯したのですから。「エースをねらえ!」や「7つの黄金郷」の原作者の山本鈴美香先生は山梨県出身、つまり僕が大ファンでした山村美紗氏と同じ「盆地育ち」ですから、二人の共通点は「無限大」と言っても決して過言ではないでしょう。2作目の「豪邸の相続人」も池田理代子先生の「オルフェウスの窓」同様、「遺産相続」がテーマになっていまして大変面白かったです。
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