ノーボーダーズ・ラブソング
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ノーボーダーズ・ラブソング

降谷百合矢

合う/合わないが半々でした

ネタバレ
2022年1月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●最初に入っている表題作がとても印象的で好きだったからか、初読の際はその後の3作があまり頭に入ってきませんでした。(好みの問題でもあります…)
●表題作。立読み部分にグッとくるなら、多分最後までいいなって感じられると思います。死んだ男を重ねられている瑛人。朗はずっとその男の幻影を重ねて自分とsexを…?だんだんつらくなってくる瑛人に感情移入。
●『惹かれるもの』翼の愛情表現が分かりにくくて。芸術家肌というのか、“惹かれる”感情を言葉に出さないまま作品として昇華するタイプのようで、郁夫はそりゃ不安になる。「お前がいないとダメだ」なんてセリフで丸く収まっちゃったのが、それでいいの?と思ってしまいました…
●『余情とシーソー』こちらもなんか丸く収まってるけど、阿久比が浮気性ってところは大丈夫なのかな?阿久比の表現も分かりにくくて…なんというか、小学生の「好きな子いじめちゃう」みたいな感じに見えました。結局は絆されちゃったように見えたけど…君美も好きだから仕方ないかぁ。
●『メルトハート』お互いの失恋の傷を癒し合うような関係から。初めは卓に対して余裕を見せていたカオルが、少しずつ自分の傷も見せ始める。本当は自分に自信もなくて、愛してほしがりのカオル。そんなカオルを「ほっとけない」って言った卓が、意外にも男前でした。
●全体通して、削ぎ落とされたセリフと、ふとした視線とか、例えば小物だけを描いたコマとかで、その奥の感情を想像させるような描写が多くて、感性で読む感じかな?とも思いました。
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