獣の呪いは恋で解く
」のレビュー

獣の呪いは恋で解く

栗原カナ

短編2本も良いです

ネタバレ
2022年1月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●表題作はあらすじどおりのストーリー、約110Pの中編。分冊版(タイトルは『きみに注ぐ恋』)の表紙が好きだったので、カラーで掲載してもらえたら嬉しかったな…
●当初は満月に反応して起こっていたハナオの獣化が、イオリに特別な感情を抱くようになってから、気持ちの高まり(というか性欲の高まり?)で発症するようになる。なので二人のえっちはハナオにオオカミの耳としっぽが出た状態。このビジュアル好きです。
●魔法によって封じられた恋心。ミサンガが切れると、封じてきた反動なのか、ハナオの想いが爆発する。乱暴にイオリを抱いてしまうがイオリはそれを受け止めて、もう一度ミサンガを。二人の切なさがすごく伝わってきます。
●ハナオと別れたイオリは、生活の中でついハナオを呼んでしまう。ハナオもふとしたときにイオリの顔を思い浮かべる。ハナオの恋心に呼応するようになってしまった獣化が、二人が心を通わせることで落ち着いて、まさに『呪いを恋で解く』でした。
●短編2本も良かったです。1本目。遊び歩いてたユキがトラブルきっかけでノンケの童貞を食うsexをしてしまい、その相手と日常で再会。彼はユキを忘れられないようで…。“無理矢理”っていうキーワードが効いてる。これから!ってところで終わってますが、それが逆に好きです。
●2本目。友人関係にモヤモヤしている新が、雪に埋もれた渉を助けるところから。渉もいろんなことがあってこの雪国に越してきたらしい。これまで一人で抱えていたものを分かち合いながら、二人は近付いていく。雪が降る中で優しい空気が流れていました。
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