俺をイライラさせないでくれ准教授【電子限定おまけ付き】
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俺をイライラさせないでくれ准教授【電子限定おまけ付き】

厘てく

結構難しいテーマだけど

ネタバレ
2022年1月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●秦の「イライラを抑えられない」というのは、似たような体験がないと少し理解しづらいかもしれません。私は結構共感しました。秦の態度に、「読んでる方がイライラする!」というかたもいらっしゃると思いますが、許せる程度であれば是非最後まで見守ってあげてほしいです…!
●何か「好きなもの」があればと思いながらも、それを作ることを怖がる秦。何かを好きにならなければ、誰かに好かれなければ、失うこともないもんね。全部を嫌いになって、全部から嫌われた方が楽だと思ってる。そんな秦が無意識のままに常盤に苛立ちと性的興奮を覚えるようになって…これが「好き」だということを自覚するのはだいぶ後です。
●無自覚な状態のまま、それでも常盤は自分にとって嫌ったり怒ったり手をあげたりする対象ではないのだと少しずつ意識して、深呼吸をして、イライラを抑えようとする。常盤のことを知りたいと、この人に優しくしたいと、変わっていく秦がかわいい。子どものように純粋で愛おしいです。
●そんな秦だから、告白(未遂)のシーンもとてもピュア。突然の「好き」の自覚。そうしてようやく、これまでの自分の常盤への態度や欲求がストンと理解できた。
●常盤には最初から、秦のイライラした態度が自分への興味や好意に見えてたんですね。常盤が秦を理解しようと寄り添っていたから、秦も(無自覚だけど)安心できたんじゃないかなぁ。感覚的に「常盤に触ってると安心する」という場面は何度かありました。
●花開いてからの秦は振り切れて、ストレートな愛情表現に逆に常盤の方が戸惑うほど(笑)秦くんの成長譚でもありました。良かった!
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