このレビューはネタバレを含みます▼
●表紙すごくいいですね!サムネイルにあるような帯付きの絵も欲しかったなぁ…。タイトルも好きです。
●先に同時収録の短編についてですが、そちらは今ひとつでした…。「奥さんがいる(不倫)」設定って、それだけでかなりレビュー評点が低くなったりしますよね。しかも本作は「妻の弟」です。でも私はその設定自体は気にならなくて、どちらかというと、そんな関係なのにそれでも十路が寛一に執着する理由が「ただ抱かれたいだけ」のように見えるのが残念でした。私の読む力が足りないのかもしれません…(★5はこの短編抜きで付けました。)
●表題作。カメラマンと被写体がファインダー越しに高ぶっていくシチュエーション、元々すごく好きなのですが、こちらの作品は、そうなる前に言葉があって、笑顔があって、ゆっくりと心を通わせているのがいいなぁと思います。
●本当の自分を見せるのが怖いゲイと、傷付くことが怖くて守りに入るノンケ。お互いの弱いところに触れ合って惹かれ合うのは、とても自然なことのように思えます。スキャンダル問題になってしまったときに、あいも変わらず一人で守りに入ろうとする要に対して、「要のおかげで変われたんだ」といって自分をさらけ出した篤紀がカッコ良かった。
●描き下ろしも良かったです。ようやくちゃんと「好き」って言葉になりました。「自分の手で壊したい」っていう前フリするなら、ラストは壊すほどの勢いで篤紀を抱き潰す要が見たかったですけどね。そんな関係になるのはもう少し先のことかな?