このレビューはネタバレを含みます▼
年末年始でいくつかの傑作に出会って、昨今のBL作品の広がりと奥深さに感嘆しきり。はあ…すごい。その内の一つが今作「鬼と天国 再」です。
前作「鬼と天国」2冊を読んでから即購入即読了し、早2ヶ月。何度も繰り返し読んでは同じシーンで涙腺を刺激され、なんとも言えない温かな気持ちに浸っておりました。これはレビューと言うより書き残しておきたい読書記録。
(故意ではないにしても)幼い時に身内から受けた心の傷という点では共通点のある二人だけど、それをどうやり過ごしてきたかがまるで違っていると、普通は相容れないだろうと思われる。
だからこそなのか。
いまだに青鬼せんせい…篤郎くんの表情が「いい子」と言われる度に固まるのとか、どんだけトラウマなん?!と言葉の呪縛の怖さを思うのに、天獄せんせい…学くんは篤郎くんにあなたはいい子だねと敢えて言う。
愛し方がわからない初心者マークの学くんの戸惑いや緊張を、篤郎くんが徐々にほぐして溶かしていくのも、「いい子」が、受けた傷の治し方を丁寧に教えるかのごとく。(4歳年上!ここよ!)
似た者同士ではおそらくダメだったんだろうな。
違ってていい、君はおまえはそれでいいんだよと、そのままを愛し合える純朴さを持ったままで互いに接する姿を見ると、ホントに泣けてきちゃいます。体を重ねるシーンですら泣ける。
カッちゃんが学くんにそれは暴力だと教えてくれたこと、ヤスミンの脳内宇宙(飛んでくメガネ)、噛むのをガマンする学くん、セリフなしのあの5ページ…。どれもこれも好きだけど、一番は…国語科準備室でのヨシヨシかなぁ。