このレビューはネタバレを含みます▼
本当に切ない。ヒロインにはヒロインの、ヒーローにはヒーローの、そしてヒロイン姉にはヒロイン姉の葛藤が読み取れ、心が軋んでしまいそうなほど切ない物語。苦しみの中それぞれが僅かな光を求めて懸命に手を伸ばして、必死に願いを掴み取ろうとする姿に心打たれます。ヒロインもヒーローも心の奥底にくすぶり続けた思いを必死に隠し、大人になって再会した後、意図をすり替えてでも手に入れたくて伝えたくて…。読みながら何度も涙が溢れました。最後はそれぞれの願い、思いが昇華され未来に向かう事が出来て本当に良かった。辛かった分だけ幸せになって欲しいと願わずにはいられませんでした。この作者様思いを表現するのが巧い。自然や風景の中まるで自分がそこに立っているかの様に感じ、心模様や覚悟迄も伝わって来ます。感情を揺さぶられる本に巡りあえて良かったと心から思います。
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