裸足でバラを踏め
」のレビュー

裸足でバラを踏め

上田倫子

蒼一郎が被害者ぶってるのが引っ掛かる。

ネタバレ
2022年1月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「キッスは瞳にして」を昔読んでいたので懐かしくて購入しました。 上田先生、随分と絵が変わりましたね。
火を見て怯える、妾の息子等など、「この世の果て」辺りの時代の野島伸司さんのドラマを彷彿とさせる設定がチラホラですね。
契約結婚の事がバレてしまった時に、馬車道で助けて貰った娘は私です、と純から望へ改めて御礼を言うシーンがあっても良かったかな、と思います。
蒼一郎はあの時から純を知っていて目をつけていたようですが、その辺をもう少し丁寧に描いて欲しかったです。
それから、結局桂子はおにぎりに薬を入れたのか、入れてないのか。
また、駒井が望の執事になったのも色々考えがあっての事だったと解釈していますが、肝心の蒼一郎や純から誤解されたままだった事等、
散りばめるだけ散りばめた疑惑達が、最後まであやふやなままで拾いきれて無いように感じてモヤモヤしました。
後半は、蒼一郎が被害者ぶって望がまるで悪役のように描かれたのは違和感がありました。
元々自分の野望の為に企てて、そう仕向けたのは蒼一郎でしょ?
望は元々は、馬車道で純を助けたような好青年だったのに。 純も、あんなに望に憧れてたのに嫌い過ぎだし。
悪いけど、蒼一郎にあまり魅力を感じません。
本当に育ちが良くて頭の良い人間は、貧乏育ちの人を見下したりしない。
はじめの頃、蒼一郎が純の育ちを馬鹿にして、虫唾が走るだとか罵るシーンは嫌いでした。
自分が人並み以上の生活を送って教養を身に着け育って来られたのは、親のおかげであって自分の努力ではないのに。
育ての兄さんが1番好きです。 だらしないけど。
一番可哀想なのはミウさんでしたね。
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