みのりの森
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みのりの森

まりぱか

考える作品

ネタバレ
2022年1月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 300ページ近くあり、内容も重めなので読むのに体力が入りました。流し読みしてはもったいないです。しっかり、時間をかけて読んで欲しい作品でした。
自ら死を選んだ慎太郎を通じて知り合う2人の物語です。
幼い時から慎太郎と共に過ごした幼馴染み・昌典×東京で慎太郎と出会った実。
慎太郎の葬式で出会った2人、実が慎太郎の民宿に世話になることになり、49日まで一緒に過ごすことになります。
慎太郎を失った寂しさを埋めるように関係を持つ2人。段々と慎太郎の死の真相が明らかになっていき、実の素性がわかり、これからのことを考えるにあたりやっぱりお互いに惹かれてお付き合いする流れになります。
慎太郎の死という変わらない事実を、それぞれにどう受け止めるか。昌典や実だけでなく、慎太郎の母親もそれを受け止めて前へ進もうとする人間の強さ弱さを感じる作品でした。
私は特に実の気持ちが心に刺さって苦しかったです。
直前まで一緒に居たし、何か違えば慎太郎の死を止められていたのではと思ったり。
死んでしまったあとも、慎太郎から昌典をよろしく的なことを言われていたのもあって昌典を支えてあげなくちゃと思ったり。彼が彼なりに出来ることをしたいという気持ちが、彼を生かしている。
それぞれに前を向いてあるきだそうとする歩き出そうとする2人が、笑っている姿が見られて幸せです。
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