流浪の月
」のレビュー

流浪の月

凪良ゆう

1巻完結

2022年1月17日
人間の弱さ未熟さを露にした作品のように思いました。
少女の助けを乞う必死な気持ちと
少年の未熟な思考からの行動。
孤独で悩みを打ち明けられない環境が子供達を世間で言う
犯行へ向かわせてしまう切なさ。

憶測と偏見で評価される中の思いやり、気遣いが
当人にとっては救いとならない虚しさ。
極限まで突き落とされた人間の焦燥感、そこからくる
不安定さ。
そして真実を知るのは当人。
事実は、公開された情報で世間の目は評価する。
その噛み合わない事実と真実の狭間での虚無感。
抑圧と庇護と自由と孤独。
その中にある小さな希望。
希望が流浪の月となって、自由をまた二人で謳歌する。

思いやり、気遣いに対して考えさせられました。
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