さよなら共犯者【単行本版】
」のレビュー

さよなら共犯者【単行本版】

あがた愛

BLはファンタジーと割り切れる人向け

ネタバレ
2022年1月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 絵が綺麗だし、下巻ではちゃんと攻めの過去というか、なぜ逃亡しているのかも明かされるので、ストーリーとしては上手く構成されてます。が、個人的には大人×学生(しかも金持ち)の逃避行がこんなに安直に完結するのかなって違和感がありました。逃避行を一緒に続ける大人(攻め)もかなり無責任じゃないかな。どんなに受けが、「僕も一緒に逃避行したい」と強く主張したところで、大の大人がそれを受け入れる要因にはなり得ない。一回受けを家に帰そうとする描写があるけど、なんか弱く感じる。第一に、恋愛感情や「受けがそばにいることによって救われた」なんて自分本位な考えで連れ回してる攻めを好きになれない。本当に愛してるなら、自分の問題は自分で片付けて、全て終わってから受けを迎えに行くべきでしょ。最後には、ちゃんとお父さんに挨拶に行ってますが、その挨拶を簡単に受け入れるお父さんにも違和感。息子のこと、本当に心配してた…んだよね?えっ?あとはエロシーンで、攻めが隣で寝てる間に抜こうとする受けにも違和感。いやいや、流石に我慢するやろ、と。節々で違和感を感じてしまうんですよね。

私はBLでも、ちゃんと現実みのある心理描写や葛藤があって欲しいタイプで、すんなり上手くいってしまうのが好きじゃないので、あまり上手く入り込めませんでした。とにかく現実的な問題については目を瞑って、最後は上手くいって欲しい!だってBLはファンタジーだもん!とちゃんと割り切れる人やこんな風に小難しいことを考えない人には、めっちゃヒットしそう。なので、星3つ。
いいねしたユーザ6人
レビューをシェアしよう!