マイ・ブロークン・マリコ
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マイ・ブロークン・マリコ

平庫ワカ

確実に心に刻まれる作品

ネタバレ
2022年1月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 2021年1月にこの作品に出会い、「あ、今年の1番の作品決まったわ。」と読んだ瞬間に思った作品です。それでいて、誰にもオススメできない作品。少なくとも、友達に勧めたらこの子大丈夫かと心配されてしまうかもしれない。笑
最初は社会の理不尽を思い知らされ、救えなかった友人の話かと思ったのですが、タイトルを読めばわかる通り、歪んでゆくマリコが過去の描写とともに明らかになってゆき、どのタイミングなら救えたのか、読者に考えさせるような展開です。そして、未だ答えは見つかりません。(あの時代に児童相談所は頼れたのだろうかとも思いますし。)マリコの最期の手紙も、賛否あれど、今までの展開から、なんとなく内容は推測でき、わざわざ文面にするのは無粋だと思わずにはいられません。漫画でありながら、小説を読んでいるような物語は、平庫ワカ先生の構成力の高さを感じます。
2022年映画化のニュースを聞き、舞い戻ってきました。永野芽郁ちゃんは、どちらかといえばマリコ役が似合うのではと思わず言いそうになりましたが、それを映画を見ずに言うのも無粋ですので、秋まで気長に公開を待とうと思います。
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