このレビューはネタバレを含みます▼
この作品はずっと気になっていて、でもハッピーエンドが好きな自分としては、ダブル不倫というセンセーショナルな物語の行き着く先がどのようになるのか不安だったのですが…。買って大正解でした！もっと早く買うべきでした。
嵐の前の静けさというような感じで物語が始まり、友哉と絢斗が出逢った後も、友哉は恋情を募らせていきますが、表面上は自然な感じで進んでいきます。が、急に猛スピードで2人が堕ちていくので、こちらも息を呑みながらページを捲る手が止まりません。途中絢斗がひどく子どもっぽくなり、駄々をこねて中弛みするのかと思いきや、パリまで行っちゃって友哉の心も読者の心も全部かっさらっていきました笑。あれは逃れられないですね…笑。最初は面白がっていただけの悪い男絢斗が、今度は追いかける側になって友哉への愛を爆発させてくれるので、スッキリしました。
そして、終わり方がすばらしい！不倫はもちろんダメなんですけど、それを提示した終わり方ではなく、それなりの代償はあるけれども今の幸せを掴み取っていく2人に焦点を当てて余韻を残す。この後の2人はどうなるのだろうと思わせておいて、絢斗サイドが明かされ、もうこの2人ならどこまでも行けちゃうんじゃないかと思わせてくれる。本当運命ですよ、この2人！丸木先生の文章やストーリー展開が綺麗ですばらしく、一気にファンになりました。それに加えて笠井先生の挿絵。眼福でしかありません。フィクションならではの美しさの極みとも言える作品です。
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