このレビューはネタバレを含みます▼
4つの短編のうち、次の2つがとても良かった。「後悔の海・スイメンカ」三角関係?そうだろうか、私には悪意を持った人間が実るはずだった恋の芽を摘んで恋人の座を奪ったようにしか思えなかった。攻めの企みに気付かず、いいように操られてしまった白い髪の子が悪い?そんなことはない。自分の望みを叶えるために、卑怯な手を使って相手が自分の思うように行動するように仕向けた攻めが悪い。ただ私は当事者ではないから、攻めが自分の間違いに気づける良心があったこと、受けを好きでたまらないという気持ちが伝わってくることや困難なことがあっても受けの手を離さず乗り越えていくだろうと何故か思えるから、友情を切り捨ててまで手に入れたものを大切にしてほしいと思う。白い髪の子に心を残しながらも現在の恋人を選んだ誠実な受けを泣かせないでほしい、罪悪感に耐えきれず別れようとしないでほしい。白い髪の子は攻めを多分許さないだろう。しょうがないじゃない、それだけのことをしたんだから。彼は、きっと新しい恋に出会えると思う、少し時間がかかるかもしれないけれど。「わたしたちはバイプレイヤー」blに出てくる女子の視点で描かれていて、とても新鮮に感じた。「blの世界じゃどんなに頑張っても私は主役にはなれない、自分の役割くらい言われなくとも分かってるわ」みたいな、潔く身を引いてbがlしている男の子2人の背中を押してあげる姫海さんが男前。でも、ちょっと切ない。ごめんね、姫海さん。一番最後の勝手なこと言ってる女の子2人、私の分身です。