このレビューはネタバレを含みます▼
駅でぶつかり受けが持っていたコーヒーで、攻めの手書きで書き込まれた楽曲を汚してしまい。
平然と立ち去ろうとする攻めと、何かが引っ掛かり
謝罪の為、攻めと接触を取る受け。
大学生で花屋でバイト中でゲイの受けと、院生でピアニストの攻めと、偶然の出会いから。
作者さま初コミックの様で、おめでとうこざいます。
表紙に惹かれ購入しましたが、上回る良さでした!
音楽の才能に溢れ、演奏家と作曲家のコンポーザー・ピアニストを目指す攻めと、音楽とは無縁だけど、
バイトで花束を作れる様になった事を喜べる受け。
受けは同性愛者を自覚してからは、周りから好きな人からせめて嫌われないように本心に蓋をして生きてきて。攻めも、その才能から寄ってくる期待や声に押し
潰されない様に、音楽以外の感情に蓋をして。
全く違う世界に居る2人の様でいて、自分で閉じ込めていた感覚も、必要だった愛情が温かく描かれています。
音楽の素養が無い私でも、高尚にさせ過ぎず美しい音色のピアノも綺麗な花束も、当たり前ですが裏には
見合うだけの努力と時間と耐えるものの上にあり
それを見せないけれど、美しいとすっと入っていました。
2人が求める様に自然に最後のえっちまで描いてあるのも正直、嬉しい。そこも含めてこれからの自分にとっての生きる必要な存在になっていくふたりがとっても良かったです。
じんわり温かく読んで良かった作品でした。
本作と他、短編一編。