騎士の殉愛
」のレビュー

騎士の殉愛

栢野すばる/Ciel

安定のぶっ壊れたヒーロー

ネタバレ
2022年2月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 幼い頃からの婚約者同士で結婚間近だった二人が引き裂かれてしまった経緯は切ない。
幼い出会いや、親交と恋心を募らせて思いが通じ会っていくエピソードは、クスッと笑えるだけに苦しくなりました。
忘れることも、諦めることも出来なかったヒーローは、土着信仰の神へ戦での勝利(殺戮の日々)を捧げヒロインを取り戻す日を望みながら生きている。
ヒロインは心を閉ざし、いつか訪れる仮夫を恐れていた。
初めはヒーローが仮夫と気づかずヒロインは麻袋を被った状態(笑)。あー、人は獣の恋を~でもヒロイン麻袋被ってたなっと余計なことを思い出しました。
二度目の逢瀬で仮夫がヒーローだったことに安堵と愛と欲望と宗教上の背徳を感じるヒロイン。
霊感?が強いヒーローにだけ聞こえる囁きの不穏さは、狂った自身の心の囁きなのか神の囁きか!。
ヒーローの出自や生い立ちも独特で、強くなるためだけに鍛えられ尋常ならざる強い騎士。
ヒロインの夫である公爵もまた、道ならぬ恋に生きながらも独特の価値観があります。
作者さんの、ぶっ壊れた美形の執着愛大好きです(笑)。
読み終わって改めて表紙絵を見ると納得でした。
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