人ならざる者同士の想いに心が震えました





魔族同士が出会ったら、どうなるんだろう?と何も考えずに読み始めたら、先の読めないストーリー展開と2人の選択に引き込まれていました。途中、人間から人外にならざるを得なかったポーの一族のエドガーの姿と重ねたりし、読み終わった後も、人間と関わる人ならざる者の悲哀とはどこから来るのだろうとしばし考え続け、幕間なしの芝居を見終えた後のように頭の芯が作品の余韻に浸っていました…。
思えばいん魔や吸血鬼は、生きていく為に人に関わらざるを得ず、概して魅力的な存在として人を誘惑したりするけれどそれも捕食のため。けれど、その為に人に近づき、人にシンパシーを覚えていくほど人と違い、普通に愛することができない定めに苦しんでいく様に人間である我々がその哀切に共感して胸を揺さぶられ、物語が生まれる。本作は、魔族同士では互いに捕食できない、でも禁断だからか、交わると、それまでの捕食としての行為が物足りなくなってしまう、という関係から紡がれる物語が、思わぬ哀切を生んでやはり心が揺さぶられてしまう。あれほど人間社会に適応していたかのように見えた弘瀬が、最後は元々持っていた本質が溢れ出たようになっている姿に、幸せの本質を掴んだのだろうなと。
魔族の2人がなんとも人間らしい感覚の持ち主なので幸せになって〜と思いながら読んでいるうちに夢中になっていました。
ネタバレなしで読んで欲しい作品なので、もし読むならこのレビューも一旦記憶から抹消していただけたら笑。人ならざる者の存在について考えを巡らせたのは、エドガーに出会って以来のこと。深みのあるBLで読んで良かったです。
この作品に出会えたのも、フォローさまのおかげです。感謝、感謝です☆

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