このレビューはネタバレを含みます▼
多くの皆さんも言われてますが、安居の取り扱いがあまりに不憫で、素晴らしい作品だけど、本編も外伝も読後感は苦い。私は、安居が赦されて欲しいとは思わない。ただ、何故安居だけが罪に苦しむ一方、殺人や殺人未遂、暴力や裏切り含む様々な悪に染まった過去を持つ多くのキャラが、安居レベルの反省をしなくても良いように描かれるのか、理不尽な不平等が読んでて辛い。恵まれた環境で育った人間や、平穏を手に入れた人間ほど、想像力の働かない正義感で罪人を断罪する構図は現実にも存在するけれど、この作品の花もその他多くのキャラも結局はそういう人間たちで残念。心を壊された安居は元々公明正大な心を持ち皆を引っ張る強く純粋な青年だった。これからも、きっと贖罪のために生き続けるだろう中で、生まれて良かったと思える瞬間があって欲しい。素晴らしい作品の完結編で感動すると共に、悲しみも残った。