ケーキの切れない非行少年たち
」のレビュー

ケーキの切れない非行少年たち

宮口幸治/鈴木マサカズ

興味深い

ネタバレ
2022年2月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 非行少年たちの軽度な知的障害についてスポットを当てたお話でした。
非行少年の中でも、今は知的障害とされないがかつては知的障害とされた境界知能の子供たちが、社会生活で困ったり行き詰まったりしているのにも関わらず助けを受けられなかったことで犯罪を犯してしまうという実例をたくさん挙げています。
みんな、犯罪を犯したくてそうなったわけではないのだなと感じました。
少年院での生活や更生プログラムを経ても、社会の荒波はそんなに優しいものではなく、また戻ってきてしまう子供も多いのだなと痛感しました。
発達障害や知的障害がある子が一定数いて、そういう子たちがいじめに遭ったり、親から強い叱責や暴力を受けることで新たな犯罪を生むこともあるのだなと思うと怖いですね。
助けてあげたい気持ちもある。でも他人の子なら尚更そこまで責任も持てない。同情するけど、自分の家族が被害者だったらと思うと厳しい目も向けてしまうだろう。
社会の中でどう対応して行くのが良いのか、考えさせられるお話でした。
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