このレビューはネタバレを含みます▼
(BL小説)
〈神制度の国〉(1飼育→ 2落いん→ 3聖婚)
百年前に停戦和平の為に神制度を同時導入した輝土・ガラ・ノイエの三大国を舞台にした三部作。
1作目は宗主制の軍事国家・輝土国が舞台。
人間に謀られ神として地上に囚われた天人の桐羽。神とは名ばかりで、長命の天人は国の宗主と契り歴代宗主の慰み者として百年間も足枷ありの軟禁状態。代替わりの新宗主が傲岸不遜な男だった始まりの相容れない二人の純愛譚◎
新宗主で軍事最高統括者敷島(32)×偶像の神 天人桐羽の話。
200頁とは思えない読み応えのある面白い話でした。
最初から軍服敷島がカッコ良すぎのイイ男(笑)
座裏屋さんのイラストも最高◎
桐羽の百年の境遇が酷く、親子四代に渡りひとりの愛人を共有し嬲り続けた歴史が気持ち悪くて、このシリーズの裏軸である蔓触手自体は影が薄め。
読んでいてかぐや姫と重なりました。偶像の神を崇め痴情と惰性に溺れる無策の治世だった四代の宗主達が、かぐや姫の愚かな男達と同じに見えて。誰よりも国と民を強く想い現状の危惧を抱く変革マンの敷島が素敵◎切なくてロマンチックな純愛譚を読めて良かったです。