仔猫な花嫁は我慢しない 公爵閣下の溺愛教育
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仔猫な花嫁は我慢しない 公爵閣下の溺愛教育

クレイン/すがはらりゅう

理想の旦那様

ネタバレ
2022年2月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 公爵・宰相補佐官22歳→27歳×王女12歳→17歳。宗教上一夫一妻、夫婦の貞節が重んじられる国で、王より一回りも年上で男爵家出身のため王妃になれず愛妾の立場に甘んじ、周囲に侮られ貶められた母を持つヒロイン。隣国の皇女が王妃となり王太子を生んだ年に母が亡くなり、第一王女でありながら2年間に渡り王宮内で虐げられていた。幼馴染みと円満な婚約破棄をしたヒーローは白い結婚を命じられる。放置された王女の状況を把握した彼の采配により衣食住が充実していく。半年後に迎えた誕生日に父から降嫁を告げられ、大嫌いな王宮から出られると喜ぶ姿が可愛い。なかなか懐かない仔猫のような王女を家族として優しく包み込む公爵家での幸せな日々は戦争の足音が聞こえてきた三年後に転機を迎える。王女を守るため安全な領地へと送ったが、執事の息子である城代を始め使用人達は諫言を信じてヒロインを冷遇する。週に一度王都に出す手紙には幸せで穏やかな時間を過ごしていると偽りを書く姿は健気。味方は庭師見習いの少年しかいない中で一年が過ぎた頃、戦争が終結しヒーローが迎えに来るのを待ってたある日。王妃の命を受けた元婚約者の母が敵国の兵士を城中に引き入れ、王女の暗殺を謀る。逃げおおせて王都に向かうが、慰霊式典で元婚約者に寄り添う彼を見て離縁を決意する。公爵邸に帰ったその夜、想い出のよすがにすべくヒーローを襲った結果、白ならぬ真っ黒の結婚になった(笑)。修道院前で近衛騎士に取り押さえられた彼女が四年ぶりに父と対面していると、妻を迎えにきたと嘯くヒーローが現れる。敗戦国の血を引く王太子を廃嫡し、妾腹の王女を王籍に復帰させて女王にする方針を立てる父に、まだ34歳なのだから新しく王妃を娶って子供を得ればいいと告げるも衝撃の事実が発覚…。愛妾を失った時に娘が吐き捨てた言葉で不能となってしまっていた。本当に愛していたのはただ一人、国なんかよりもずっと大切だったと言う国王が哀しかった。異母弟をよき王になるよう教育することで国王と合意し、離縁せずに済んだ二人の四年越しの甘い新婚生活が始まる。溺愛気質で情熱的なヒーローがよく五年近くもの間、禁欲生活を送っていたものだなと思った
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