このレビューはネタバレを含みます▼
機能不全の家族がどんなものかが、凄く分かりやすく短く描かれていて内容が入りやすくて漫画家さんの実力がわかる作品でした!
機能不全の家族としては、軽度の家族の日常が描かれています。
"家族といると、なぜか上手くいかない"で悩んでいる人にオススメです。
個人的な意見ですが、家族という社会的な通念に縛られて苦しんでいる人は沢山います。
そして、その問題は"解決できない"が当たり前です。
物語のようにハッピーエンドで終わる事はありません。
仮に、ハッピーエンドに見える終わり方でもその時に付けられた傷や自分の決断に必ず痛みを感じる日がきます。
"あの決断は間違えじゃない!!"と死ぬまで唱えて納得させなければならないのが機能不全の家族です。
そして、家族であっても所詮は人間という動物です。
家族内でヒエラルキーを作り虐めることはよくあります。寧ろ全くない家族はとてもラッキーです。
私たちは"井の中の蛙"。
同じ社会という高い空は知り得ても、隣の井の中の蛙の状況を直接、見ることも感じることもできません。
それが家族で、それが他人との距離です。
その点を理解して読まれると素晴らしい作品に感じると思います。
頭ごなしや自分の世界の物差しを使わず見てほしい作品です。
ただ...読まれる方によっては、とても苦しくなる作品です。その点だけ、作品には関係ありませんが星を一つ減らしています。
あと、1と2は330円なのに3から160円は価格設定のミスでしょうか?
確かに、貴重なエッセイですが高く感じるのも否めないで。