3番線のカンパネルラ
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3番線のカンパネルラ

京山あつき

優しさって

ネタバレ
2022年2月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 自分の人生という列車に乗って終着地点に辿り着くまでに、どんな人たちが乗り降りするんだろう…ふと考えてしまうお話。劇的に何かが起こるとか、そういうシーンはないけれど、誰もが思い当たるような事を丁寧に見せてくれて読後感は安らぎと自分に優しくなる勇気を貰えました。人生の山あり谷ありをDKや店長を通して向き合うことができた加納さん。人の優しさにすぐよろめいてしまう可愛い加納さん…だから弱い部分は見せないようにして仕事行ってるんだろうな、とか。そんな姿を実はDKは前から見てたんじゃないかな?とか。善人の悪気ない言葉は悪魔のそれより罪深いとか…読んでて色々と思う節が出てくる素敵な作品だともいます。ずっと元彼の言葉に囚われてた加納さんにとってDKと過ごす短い時間は癒しで、店長とはその言葉を乗り越えるための時間なのかな。不思議で面白い関係でした。
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